遥かに仰ぎ、麗しの

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遥かに仰ぎ、麗しの

管理人の一言:大学を卒業して教員免許を取ったものの、教鞭をとる就職先が決まっていなかった主人公、滝沢司(たきざわつかさ)に、上流階級の息女―お嬢様のみが通うことで音に聞こえた、『凰華女学院(おうかじょがくいん)』から誘いが来る。一も二も無く、その誘いに飛びついた司だったが、指定された学院の所在地は、案内状に書かれた『自然に囲まれ風光明媚な』という言葉に偽りこそないものの、周囲に民家の一軒すら見当たらない半島の果てだった。日に数本しか通らないようなバス停で降り、半信半疑のまま歩き続けること数十分。突然視界が開け、何とも時代錯誤な西洋風の広大なお屋敷が姿を現す。その建物に負けず劣らず、大袈裟な装飾を施された門の柱には、そこが目指す場所であることを証明するかのように、『凰華女学院 』の文字が刻まれていた。・・・やがて知らされる、真実の数々。― ―ここは学院の『分校 』として運営されていること。― ―やんごとなき方々のお家事情などにより、一般社会から隔離された少女たちのみが在籍していること。何もかもが初耳な話ばかりだったが、全ては後の祭り。こうして、世間から忘れ去られたような僻地に建つ女学院を舞台に、一風変わったお嬢様たちのお相手を務める、司の教師生活が幕を開けた。

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